BYWÉARがD2Cにこだわる理由

2018年頃から日本国内でも注目されている『D2C (Direct to Consumer)』というワードですが、今回はD2Cの定義を簡単に確認しながら、なぜBYWÉARがD2Cにこだわるのか?を説明していきたいと思います。

前回の『なぜラグジュアリーブランドは高いのか?』という記事の最後にも書きましたが、BYWÉARが掲げている「ラグジュアリーブランド並の品質の商品をストリートブランド同等のプライスで提供する」というブランドコンセプトを可能にしているのが、D2Cのビジネスモデルになります。


D2Cの定義

D2Cの定義については正直崩れかけています。D2Cというバズワードに乗っかって、D2Cを名乗っているブランドが散見されています。韓国や中国で安価な製品を買い付けてブランドネームのみ付け替えて販売しているブランド、自社販売ではなく卸をメインにおこなっているブランドなど、D2Cの定義から外れた数え切れないほどのブランドが「ウチのブランドはD2C」だと豪語しています。

ただし、海外進出を目的とした (きっかけとなる) 卸に関しては、積極的におこなうべきだと思っています。もちろん狙っている国の人達が見てくれる卸先 (セレクトショップ) なのか?越境に対応しているのか?ブランディングに適しているショップなのか?などは、きちんと見極める必要がありますが、現在はSSENSEやEND、Dover Street Market、GR8など、全世界に配送している高感度なセレクトショップも多くあるので、成長する過程で海外進出を視野に入れている場合は検討すべきです。

本来のD2Cの定義は、Google検索で調べると様々なサイトで詳しく解説されているので、深く知りたい人は調べてみてください。今回はBYWEARが実際おこなっているやり方に沿って解説していきます。

1. 価格の最適化

この部分が皆さん (消費者) にとって一番のメリットになります。悪しきアパレル業界の習慣というのが今も続いており、大手アパレル企業に限らず多くのブランドが、生地メーカーや縫製工場と直接やり取りをせず代理店や商社を挟んで商品を企画生産し、自店舗または百貨店やセレクトショップなどの小売店に卸して販売しています。この旧来のやり方のデメリットを細分化して分かりやすく説明します。

  • 企画・デザイン

    デザインやパターンメイキングを外部デザイン会社や外注パターンメーカーに依頼。この費用がそのまま原価に乗ってきます。

  • 生地・生産

    生地メーカーや工場と直接やり取りせず、代理店や商社経由で生産。ひとえに生地メーカーと言っても、生地メーカーが生地メーカーから生地を買うことも業界的に多く、元の生地メーカーから買わなければ生地値がどんどん上がっていきます。また生産に関しても商社を通してしまうと結構なパーセンテージのマージンを持っていかれます。このマージンがそのまま原価に乗ってきます。

  • 販売

    自社店舗で販売するSPAブランドは、毎月テナント費や販売スタッフの人件費、光熱費などの固定費に加え、新店舗オープンや改装する際は内装・外装費、什器の費用などのコストがかかります。それに対して買取りの卸売りの場合、基本的に上代の50〜60%でセレクトショップ等の小売店に販売するため、粗利益が非常に低くなり、上代を高く設定せざるを得なくなります。

これらに疑問を持った人たちによってD2Cは誕生しました。D2Cの根源でもある自社で企画生産し、オンラインで直接消費者に販売することで中間マージンや無駄なコストを大幅にカットすることが可能となり、高品質なモノをお手頃な価格で提供することができます。

BYWEARでは、自社ですべて企画デザインをおこない、生地メーカーや縫製工場だけでなく、プリント刺繍工場、さらにブランドネームやワッペン、商品を入れるZIP袋、そのZIP袋に貼るシールまでも直接メーカーとやり取りをし、販売はすべて自社オンラインストアでおこなっています。生産背景をすべて自社で管理し、サプライチェーンを垂直統合することで、コスト構造の透明化を図ることができ、ブランドコンセプトに掲げる「ラグジュアリーブランド並の品質の商品をストリートブランド同等のプライスで提供する」を実現させています。

2. 顧客とのコミュニケーション

こちらに関してもD2Cでは非常に重要なポイントです。売上規模の大きいブランドは、月に数十万払ってSNS運営やカスタマーサービスを外部に依頼していますが、BYWEAR含むD2Cブランドは全て自社でおこなっています。自社で管理することにより顧客と直接対話することができ、意見を吸い上げてスピーディに商品やサービスに反映することができます。自店舗販売や卸売りだと販売スタッフやバイヤー経由になるため、顧客の意見を吸い上げるスピードが非常に遅くなります。

BYWEARでは、各SNSのコメントやDM、さらにお問い合わせに関してもLINEを使ったチャット形式を取り入れることで、コミュニケーションを取りやすくしています。特にD2Cでは、購入後のコミュニケーションも重要になってきます。アフターケアや今後の入荷情報、特別なご案内など、継続的に顧客とコミュニケーションをとることで、顧客ロイヤルティを上げていく必要があります。



その他にも、データドリブンマーケティングやデジタルファーストなど、D2Cにおいて不可欠な要素は多くありますが、今回は皆さんに最も関係がある上記2つをピックアップしました。

BYWEARでは、Direct to Consumer から『Direct to Customer』になれるように、今後も価値ある商品やサービスを提供し続けていきます。

最後に、BYWEARでは上記に加え『体験』も重要視しています。オンラインで購入して箱を開ける時の楽しみや着用した時の高揚感だけではなく、買う前に実際に触って、試着できるポップアップストアや音楽を絡めたイベントなど、オフラインでの体験も今後おこなっていきますので楽しみにしていてください。


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