今回はオンス (oz) について説明したいと思います。
雑誌やファッションメディア、オンラインストアなどでオンスという言葉を目にしたことがあると思います。デニムやTシャツ、スウェットなどでよく使われる単位ですが、大半の方が『オンス=生地の厚さ』だと勘違いしています。
オンスは『重さ』の単位です。
もちろん厚さの指標にもなりますが、それは正確ではありません。生地が薄くても重い生地があるからです。Supreme (シュプリーム) をはじめとするアメリカのストリートブランドの多くが『ヘビーウエイト』という言い方をしますが、「ヘビー (Heavy) =重い」+「ウエイト (Weight) =重量」すなわち「重たい生地」という意味になります。
なぜアメリカのストリートブランドで多く使われるかというと、オンスはヤード・ポンド法というアメリカの単位だからです。ボクシングで「ポンド」という言葉を聞いたことがあると思いますが、アメリカでは日本で使う「キログラム (kg)」や「グラム (g)」は全く使いません。それどころかキログラムやグラムは通じないことが多いです。
ポンドは英語で「pound」と書き、正確な発音は「パウンド」になります。小麦粉、卵、砂糖、バターを1ポンドずつ使ったことが由来とされる「パウンドケーキ」のパウンドと一緒の発音です。ただ非常にややこしいのですが、ポンドの表記は「p」ではなく「LB」になります。なぜ?と思うかもしれませんが「LB」はラテン語の「libra pondo」という言葉を略した表記だからです。
対してオンスは英語で「ounce」と書き、発音は「アウンス」になります。ただ表記に関しては冒頭でも書いているように「oz」となります。これは古イタリア語の「onza (オンス)」が由来のためです。
ここからはオンスの表し方を説明します。
1ポンド=約453グラム
16オンス=1ポンド
すなわち『1オンス=約28.3グラム』となります。ヤード・ポンド法だと、1平方ヤード (縦横 0.914mの面積=約0.84㎡) =1オンス (28.3g) と表します。
上記を踏まえて分かりやすく表にします。
オンス | g/yard | g/㎡ |
4oz | 113g | 135g |
5oz | 170g | 202g |
6oz | 226g | 270g |
7os | 283g | 337g |
8oz | 311g | 371g |
9oz | 340g | 404g |
10oz | 368g | 438g |
11oz | 396g | 472g |
12oz | 425g | 505g |
13oz | 453g | 539g |
14oz | 509g | 608g |
前置きが長くなってしまいましたが、ここからはオンスごとの生地 (ジャージ素材のみ) の特長を説明します。
前提としてジャージ素材は、重さで値段が決まります。もちろん高級な糸などを使えば軽くても高くなりますが、基本は重さで決まる (重いほど生地値が高い) と思っていただいて大丈夫です。
T-Shirts
3〜4オンス
ライトウエイト。非常に軽く価格も安いです。白の場合はかなり透けます。イベントやサークル等のTシャツでよく使われます。
5〜7オンス
ミドルウエイトからヘビーウエイト。生地も程よく重く耐久性もあるため、一般的なアパレルブランドのTシャツでよく使われるオンスです。
8オンス以上
スーパーヘビーウエイト。こだわったブランドで使用される上質でハイクラスな素材になります。生地の見え方はもちろん、耐久性も格段に優れていて洗濯しても型くずれしにくく、衿のフライスも伸びにくいです。長く着たいなら8オンス以上のTシャツがおすすめです。
Sweatshirts
8〜10オンス
ライトウエイト。ミニ裏毛とも言われます。キッズアパレルやドレープ感をだしたいウィメンズのアイテムなどで使われます。メンズ (特にストリートブランド) ではほとんど使われません。
10〜12オンス
ミドルウエイト。可も不可もない生地で一般的なアパレルブランドがよく使用するオンスです。生地屋で一番出回っているオンスで、価格も比較的抑えることができます。
13オンス以上
ヘビーウエイト。こだわったブランドで使用される上質でハイクラスな素材になります。こだわり抜いたブランドで使用されています。糸の打込み本数も多く (度詰め)、フードの立ちも完璧にキマり、一度着ると病みつきになります。耐久性も申し分なく、数シーズン着用することができます。
オンスの説明は以上になります。
ヤード・ポンド法や16オンス=1ポンドとかややこしい説明をしてきましたが、正直それらは覚える必要はありません。覚えておけば良いのは、オンス=重さ、重いほうが生地の値段が高い、Tシャツ・スウェットアイテムでそれぞれ何オンス以上が良いのか?という3点だけです。
BYWEARでは、糸からこだわった日本製の生地を使用しています。
レギュラーシルエットのTシャツには、8.26 oz (オンス) のヘビーウエイト丸胴天竺、ボックスシルエットのTシャツには、9.88 oz (オンス) のマックスウエイト天竺をそれぞれ使用しています。
下の画像は、マックウエイト天竺を使用した新品製品と20回洗濯した製品を比較したものになります。衿 (フライス) がほとんど伸びていないのが分かると思います。
9.88 oz Max Weight Jersey
画像下: 新品製品
画像上: 20回洗濯した製品
また、11月発売予定のクルーネックスウェットやフーディ等のスウェットアイテムには、13〜14オンスクラスのヘビーウエイト裏起毛を使用しています。
一度着ると間違いなく病みつきになって、他が着れなくなります!是非BYWEARのTシャツ・スウェットアイテムをお試しください。